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N響の吹奏楽(アルメニアン・ダンス)

この「N響吹奏楽」はもう昨年の話で、当時既に沢山の方が話題にされているとは思いますが、書かずにはいられないので書きます。(昨年ブログをまだ持ってなかったので)。2006年8月6日「N響ほっとコンサート」において、N響初の吹奏楽演奏が行われた時の話です。

この中から、リードの「アルメニアン・ダンス パート1」1曲だけがN響アワーで紹介され、何で1曲だけなんだ、もっとやったはず、と思っていたら、後にBS2でコンサート全部をやりました。

・・・・と思ったら、

 今度の日曜のN響アワーでこの時のアルメニアンをやるらしいじゃないですか。なんてタイムリー!

 4月15日(日)21:00-22:00 吹奏楽のススメ

 昨年見損ねた人は必見ですよ!

この時の演奏については、絶賛の声が多く聞こえたと思っていますが、否定的な意見もあり、賛否両論になっているようです。私としては「絶賛」でした。あのクリーブランド管以来の名演と言えると思います。

(この前回の話も参照下さい)

  クリーブランド管 ホルストの演奏について (4/5)

N響と言っても管の正団員はそんなにいないので、トラ(エキストラ)が大分入っていましたが、東響など他のオケで見かけたことのある方が中心のようでしたし、ユーフォニウムはどこかで見たと思ったら、外囿祥一郎氏が出ていて、布陣にぬかりなし、といったところ。サックスでは須川展也氏も出演しています。

「アルメニアン・ダンス パート1」

最初の1小節を聞いただけで「おっ、これは凄いかも」。
2拍目の低音の入り等、音の立ち上がりからして違う。ダイナミックレンジの広さなども、ここ最近聞いたことのない音。チューバがよく鳴っている。2小節目からのトランペット・ホルンも最後まできちんと息が吹き込まれていて音がやせない。

「あんずの木」。フルートを中野さんと細川さんが吹いている。。凄いことだ。(2列目の男性は確か東響の人?女性も見たことがある)音が最後まで持続している。

フルートの後のコール・アングレーの池田(昭子)さん。ここは他の楽器も同じ旋律を吹いていたかもしれないが、ほとんどソロ状態。やはり朗々と歌いこんでいる。ウラ拍においても息をきちんと吹き込んでいて、音がやせずに長いフレーズが持続されている。ここの部分はこれまでに聞いたことがないくらい音楽的な演奏である。その後の茂木さんのオーボエソロも同様。

「あんずの木」最後の方、ホルンの例の「ラソシソ ラソシソ~」は松崎さん。微動だにせずに吹いています。安定度抜群で安心して見ていられます。吹奏楽系ではこんなのは聞いたことがない。大体(特にアマチュア)はここの部分は危なっかしくて聞いている方がハラハラしてしまう部分である。オケのホルンは常日頃露出度が高いのでさすがに鍛えられているという感じです(このくらいのは屁でもないんだろうな、という感じ)。ホルンはこの後の「ナザン」や「ゆけ、ゆけ」のいくつかの見せ場でも、眉一つ動かさず、同様のパフォーマンスをしています。吹奏楽系とオケ、アマチュアとプロ、などの比較において、音が「ビャーッ」と広がらずにまとまるといった点で、一番歴然とした違いを感じるのがホルンだと思います。

「ナザン」の打楽器を中心とするダイナミックな音はさすがで、「アラギャス」も、音が最後までやせずに長いフレーズがきちんと表現されていてました。

「ゆけ、ゆけ」。クラリネットが難しいパッセージで活躍します。コンマスの横川さんはその重責からか張り切っているので例外ですが、他の方は皆余裕顔で吹いています。「ナザン」のスケール調のところでもそうでした。音もフレーズの最後まできちんとよく出ています。こういう人達を本当の名手と言うのでしょう。2列目の磯部さんの横の女性お2人(不勉強で名前を存じませんが)も涼しい顔をして吹いていました。

この部分の金管の「合いの手」的なところや、最後の方のクライマックスのトランペットや低音群も、音を抜かないできちんと音価一杯に音を伸ばしています。津堅さん始めとするトランペット軍団7人の音は凄かった。(津堅さんが吹いていたのはC管の楽器みたいです。この方は大体いつもそう。C管が好きなのでしょうか)。全体的に重厚な感じですが、リード指揮の佼成の演奏も、かなり粘りのあるゆったりとしたものだったし、これくらいがこの曲の理想的な演奏なのだと思います。吹奏楽をずっとやっている人の感覚だと重すぎて好きでないという人もいるのかも知れません。

しかし、吹奏楽におけるファゴットというのは、本当に目立たなくて気の毒だ・・・

後でBSで見た、スーザ「海を越える握手」(これが演奏会の本当の最初の曲)は最初の1フレーズから、やはり凄いことになっていましたユーフォとチューバのユニゾンの音が良く響いています。ところどころ「ため」を作る山下一史氏の指揮には否定的な声もあるようですが、コンサートでの演奏なので、メトロノームテンポよりずっとよいと思います。中間部の付点のリズムもつんのめることなく、品のある演奏にちゃんとなっていました。

第1部・吹奏楽のアンコール曲、スーザ「星条旗よ永遠なれ」も抜群の安定度とダイナミックさを併せ持つ演奏でした。最後のトランペットとトロンボーンの吠えまくり大音量はちょっと羽目を外していたとは言え、ポテンシャルの高さがうかがえる音でした。

ちなみに第3部はフルオケでレスピーギの交響詩「ローマの松」をやりましたが、金管吹きまくり(特にカタコンブのトロンボーンなど、オケではこのくらいは普通ですが)、クラリネット・フルート等のソロも安定していてました。

おそらくこの時の吹奏楽演奏は、せいぜい1日か2日の合わせ練習くらいだったと思います。それでこれだけの演奏ができるのですから凄いことなのです。やるからには例え短い練習でももっと高い完成度の演奏をすべきとの意見もあるようですが、細かいアラはあるにせよ、こういう音が出せる、という可能性を世に示したのは非常に意義深いことだと感じました。ぜひ生で聞きたかった演奏です。

同じ頃、「BSクラシック倶楽部」で「佐渡裕&シエナ・ウィンド・オーケストラ 富士山河口湖音楽祭2004」のコンサートの模様をやっていて、奇しくも同じ曲「アルメニアン・ダンス パート1」と「ローマの松」が演奏されていました。この2者を聞き比べると非常に面白いです。フレーズ感やソロの充実度などに大分違いが見られます。

佐渡さんはずっと色々なオケを振って来た人ですが、シエナと組むにあたっては、吹奏楽だからこう、オーケストラだからこう、という境界は考えずに、むしろそういうものを超越した「音楽」をやる、と考えているのだと思います。あとはシエナがどこまで近づけるかだと思います。

吹奏楽オリジナル曲はまだいいとしても、レスピーギなんかはもう少しやりようがあるのではないかと感じてしまいました。吹奏楽でオケ物をやる時は、何を目指してやっているのだろうか。その曲の持つ雰囲気、精神性などにいかに迫れるかということなのだろうか。そうすると自ずと原曲(オケ版)の演奏に本来は近づくのだと思うが。。。

今年もぜひN響吹奏楽をやってくれることを期待したいです。やるなら同じリードの「アルメニアン・ダンス パート2」でもやって欲しいものです。ホルストの第一組曲、第二組曲、ジェイガー「シンフォニア・ノビッリシマ」などもいい。ノビリッシマの冒頭部分の金管はカラヤン・ベルリンフィルの「フィンランディア」のような張りと粘りのある音でやるのがいいと思うのですが。また一石を投じて欲しい・・・何に??(笑)

 

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コメント

はじめまして。N響のアルメニアンがいつの演奏会だったか調べていて、こちらに来ました。もう10年前なんですか。情報を拝借しました。ありがとうございました。

投稿: 白根優璃 | 2016年4月24日 (日) 08時40分

白根さん、こんばんは。気づくのが遅くなりすみません。
N響吹奏楽はこの後何年か続いたのですが、一昨年あたりからなくなってしまいました。マンネリになってしまったのか、ポップスをやったりして「普通の」吹奏楽になってしまったりした時もあったので、仕方ないかと。。
N響もだいぶメンバーが変わりましたね。

投稿: まるさん | 2016年5月29日 (日) 00時17分

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