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生シノーポリ体験

随分昔の話。

大学オケ時代、プロの演奏会の楽器運びのバイトをしました。

オーケストラの演奏会で楽器の搬入とかをやるバイト情報が、部室とか練習所の扉に手書きのメモでよく貼ってありました。OBに音楽事務所の方がいるとか何とかで、そこから回ってきていたようです。

「××フィル ○月○日○時 △名」とか書いてあります。

こういうのは基本的に早いもの勝ちです。

楽器の搬入とか片付けを手伝い、それで数千円から1万円くらいの日当をもらえるような仕事でした。上手くするとゲネプロ(リハーサル)とか本番もこっそり聞くことができました。
たまたま椅子1個運んだだけで実働数分で終わってしまって、それで6000円だから時給36万円だ!とか言っている先輩もいました。

印象に残っているのが、87年か88年頃、フィルハーモニア管が来日した時のサントリーホールでのバイトでした。

まず楽器の搬入を手伝うのですが、あちらは楽器運びの人がちゃんといて、基本的にその人が運んでしまいます。力士のようなものすごく体格のいいおじさんが2人くらいいました。楽器が入っている箱も、これまたものすごく大きな籐みたいなケースで、それを軽々と持ち上げてきます。1m×2m×1mくらいはあったと思います。音楽とは無縁そうな雰囲気の人達でしたが、来日公演まで付いてくるくらいだし、手馴れた感じだったし、楽団専属なのでしょうか。我々はそのケースから個々の楽器ケースをどんどん取り出していくくらいでした。

舞台裏で楽団員の人達が音出しを始めます。目の前で聞くと、当たり前ですがみんなもの凄く上手い。何しろ音がこれまで聞いたこともないくらいもの凄くきれいです。ホルンの人がリップスラーでもの凄い早さで跳躍をしています。それでどの音も完璧に鳴っている感じです。音の塊みたいです。

フルートの人も間近で見ましたが、もの凄くきれいな音です。無駄な息音も一切ありません。この人がケネス・スミス氏であったわけです(当時はまだ知らなかった)。

後でフルートの先輩に報告したところ、「あの○ゲな(失礼)。あれが上手えんだよ。」
と言った後に、「お前、何か話しかけなくっちゃ。どこの楽器使ってるんですか?くらいのことを聞いてこいよー。」と言われました。しかし、何話していいか分からないし、とても恐れ多くてそんな状況ではありませんでした。。。

そして、、、指揮者のシノーポリ登場です。

控え室から舞台裏にのっそりと出てきました。その瞬間、異様な感じがして、周りの空気がさーっと一変しました。何かわかりませんが、もの凄い迫力というか、殺気というか・・・。体がでかい。体の幅も厚みも胴回りも普通の人の倍くらいある感じ。まさに「ビヤ樽のような」である。そして顔もでかい。あの髪型だし、これも普通の人の倍くらい(しかし背は普通くらい)。

眼光鋭くあたりを見回している感じでした。よく言う、オーラとかカリスマ性とかエネルギーがあふれている感じです。

ゲネプロ、本番と舞台裏で少し聞くことができました。休憩時間には、舞台裏に戻ってきた楽団員の人達はコーヒーかなんか飲んで、随分リラックスした様子で、さすがに余裕を感じました。演奏したのは、ブルックナーの4番だったかと思います(他のプロは覚えてません。ごめんなさい。まだその頃はそれほど詳しくなかったんです・・・)。

シノーポリの指揮はものすごい雰囲気というかオーラというかが出ている感じでした。オーケストラも魔法にかかったかのように、それにぴったりと合っている感じでした。演奏は一糸乱れぬ凄いものでした。

指揮者の能力というのは、目に見える「棒」のテクニック的なこととか、口で言う言葉とか以外に、目に見えない力が確かにあると思います。

それが何とは言えないし、機械的に表せるものでもないが、確かに見える(感じる)し、確かにそこにある。演奏者の中で唯一音も声も出さないのが指揮者。でも多大な影響力を持っている。つくづく不思議な存在です。

 

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