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ロストロポービッチ氏死去

ムスティスラフ・ロストロポービッチ氏(チェロ・指揮)が死去したそうです。享年80歳。ガンを患っていたとの報道もあります。

ロストロポービッチと言うと思い出すのは、、、
2001年5月。ウィーン。

身内がベルギーで結婚式を挙げることになって出席することになり、ついでに他の場所も旅行することになって、初日をウィーンにした。

この日、楽友協会(ムジークフェライン)では、ロストロポービッチ独奏で小澤征爾指揮ウィーン・フィルのマチネがあるのは知っていて、見たかったのですが日程が合わず、夕方の到着となっていました。何か聞ける演奏会はないか、と当日券を求めて楽友協会に行ってみました。勝手がよく分からずに裏口あたりをウロウロしていました。

すると、その時・・・

公演を終えたマエストロ小澤が裏口から出てきたのです。

Tシャツに着替えた姿でスタスタとこちらに歩いてきます。何か声をかけたかったのですが、付き人のような方と忙しそうに早足で来られたものですから、迷惑ではないかと気後れしてしまいました。

目の前に来た瞬間、マエストロと目が合う。喉まで声が出掛かりましたが、そのままこちらは金縛り状態です(笑)。マエストロはこっちが何か言いたげにしているのを察知して、一瞬立ち止まったように見えましたが、こちらが黙っていたのでそのまま近くのホテルへ消えて行かれました。

呆然としながら、写真だけでも一緒に撮らせてもらえばよかった、などと反省中、今度は白髪のおじいさんが出てきたかと思うと、、、

出てきたのは巨匠ロストロポービッチ。

キャスターが付いたチェロケースをごろごろと転がしながらこちらへ歩いてきます。矍鑠(かくしゃく)としていて、早足でした。目の前で目が合った瞬間、顔は笑顔を作ったものの、またもや喉まで声が出掛かって止まってしまいました。

この一件は良い思い出にはなりましたが、今となっては本当に悔やまれます(笑)。二人の巨匠と一緒の写真でも撮れていれば家宝ものでした。

結局この日はコンツェルトハウスの方で、エッシェンバッハ指揮のパリ管の公演があり、そちらを聞きました。チケット売り場で地元のおばちゃんらしき人に声をかけられ、「パリ管?チケット譲ってあげるわよ」と(多分)言われ、ほぼ定価ではありましたが譲ってもらいました。ダフ屋とかではなく、都合が悪くて行けなくなった人が個人的にチケットを譲りにくることがよくあるそうです。日本円にして2700円くらいだったと思います。

パリ管は凄かったです。確かベルリオーズの「夏の夜」(?)とかいうのと、「ローマの謝肉祭」と、メンデルスゾーンのイタリア(交響曲第4番)。時差の関係で、日本からずっと長い一日が続いてそのまま徹夜をしているような状態だったので朦朧としていましたが、一糸乱れぬ整然とした演奏と、もの凄くきれいな音。パリ管はレコードで聞くとちょっと音が軽い感じを印象として持っていましたが、そんなことはありませんでした。圧倒的な音圧。アンコールは、ハンガリー行進曲と「真夏の夜の夢」のスケルツォ。ハンガリー行進曲が一番凄く、怒涛のような演奏でした。(これで2700円は格安!)

★★★

ウィーンは95年に新婚旅行で初めて行きましたが、とても気に入ってしまったのです。音楽の都として世界的に知名度があるが、決して大きな街ではない。路面電車がいい感じで走っている。路面電車の運転士のおじさんは、駅に近づくと、チンチンとベルを鳴らし、駅名をボソボソっと言う。マイクを付けているがよく聞き取れない。ちゃんと言ってよ、と最初は思ったが、日本のバスの運転手さんとかも、決して皆がハキハキしている訳ではないなあ、と考えると、似たようなもんか、と妙に納得。夕方になるとみんな仕事を終え、アイスクリームやらサンドイッチやらを食べながらのんびりと散歩している。

古い建物と新しい先鋭的な建物が同居しているものの、中心部には13世紀に建てられたというシュテファン寺院がそびえ立つ。間近で見るその石造りの建物は、長い間、風雪にさらされて一面黒ずみ、時代の重みに圧倒される。こういうのは写真とかではなく、実際に見て初めて実感できるのだと分かりました。

その時はたまたまウィーン市の芸術なんとか週間とかで、夕方から市庁舎前の広場でなんとウィーン・フィルの第九の演奏をタダで聞けてしまいました(指揮はメータ)。遠くてよく見えませんでしたが、多分フルートの一番はシュルツだったと思います。

みんなホットドッグを食べ、ビールを飲みながら、草むらに座ったり寝っころがったりしながら聞いています。あのウィーン・フィルをです。
こういうのを本当の「贅沢な」聞き方と言うのではないでしょうか。

ウィーン・フィルは現地でもチケットの入手は困難と聞きますが、それでもこういのを見ると、日本で考えられているよりもずっと市民に近い存在であるのではないでしょうか。うらやましい限りです。

巨匠のご冥福を祈ります。

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