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追悼・植木等さん死去

植木等さんが昨日(3/27)亡くなりました。80歳だったそうです。お元気そうで、まだまだと思っていたのに急な知らせで大変ショックです。崇拝していたのに。

丁度ココログのメンテナンスで24時間もの間、更新ができず、いち早くこの思いを伝えたかったのに非常にもどかしい思いをしました。。。

植木等に注目し始めたのはいつ頃だっただろうか。
大学3年の頃、大学オケ内の人間関係に悩んでいた私は、雑誌「プレジデント」の「般若心経」特集にふと惹かれて読んでいるうちに、仏教の教義や仏教用語に学問的興味を持ち始め、専攻の国文学科の卒論テーマにしようと考えるに至った。そうすると「仏教」というキーワードに繫がる話題が自然と入ってきて、植木さんが浄土真宗の僧侶の息子だということを知った。(笠智衆やポール牧なんかもお寺の生まれですね)

一度は僧侶になる修行を積んだ植木さんですが、東洋大学在学中に軽音楽同好会に入ったのをきっかけにギタリストを目指し、フランキー堺率いるコミックバンド「シティ・スリッカーズ」に参加した後、ハナ肇率いる「クレージーキャッツ」に入ることになったのです。寺を継がずに芸能人を目指すにあたって、親を説得した理屈は、「坊さんは死んだ人間を供養するが、芸能人は生きている人間を楽しませる。俺は生きている人間を元気づける仕事がしたいんだ」ということだったそうです。

父・徹誠という人は僧侶ながら型破りな人で、寺にある仏像を植木少年の前でぶっ叩いて「いいか、こんなものには何の値打ちもないんだ」と説教をしたそうです。仏像そのものは単なる「物体」でしかなく、大切なのは仏の教えそのもの(心)だ、その本質を見失うな、という教えだったのだと思います。

一世を風靡した「無責任男」のキャラクターとは裏腹に、実際の植木さんは極めて真面目な人であったことが知られています。そんな真面目な人が大真面目に「無責任男」に徹して演じたからこそ、あのキャラクターは花開いたのだと思います。元々は、正式にクラシックの発声レッスンも受けたこともあり、歌手になりたかったということで、声もよく歌が上手い訳です。そういう様々なエピソードを知るにつれて、植木さんの奥深さに魅せられ、崇拝するまでに至りました。。。

映画「日本一のゴマすり男」(昭40・1965年)はインパクトがありました。確かこの作品中での役名は「中等(なか・ひとし)」だったと思います。上役や周りの人にことごとくゴマをすりまくり、そのゴマスリパワーだけで出世する、という破天荒なストーリーでしたが、いやな上役とかにも嫌な顔一つせずにかゆい所まで手が届くまで徹底してゴマをする。漫画的なフィクションの世界ではありますが、と同時に、「あんたらも、このくらいしたたかに生きないとダメだよ」というメッセージでもあるように感じます。

(モバイル→日本一のゴマすり男

秀逸だったのは結末の場面。東野英治郎扮する社長とのやりとり。
主人公の会社がハワイに支店を出すことになり、その人事を巡っての場面。確かこんな内容だったと思う。

 中等「ところで社長、もう新しい支店の支店長の人事は、とっくに

   決まっているんでしょうな。用意のいい社長のことですから。」

 社長「う・・・うむ・・・もちろんだ・・・。」

    (本当はまだ決まってなどいない)

 中等「はっ。どうもありがとうございます!!」

 社長「う・・・うむ・・・よろしくたのむよ・・・」

こうして彼に決まってしまう。この2人の絶妙な間によるおかしさ。見るとスカッとし、元気になります。

映画「会社物語」(昭63・1988年)、これはクレージーキャッツのメンバーをフィーチャーした作品で、楽しい話かと思って見たらシリアスな話で唸ったのを覚えています。

大体コメディアンは真面目やネクラな人が多いと言います。人を笑わせるためには常に計算が必要なので、どうしたってそうなるという訳です。渥美清などもその典型ですね。余談ですが、コメディアンに不幸な人間やいやらしい人間の役を演じさせると凄い演技を見せることがある、とも言われています。それは大抵の場合、売れない時代に地獄を味わい尽くしているからだと言います。せんだみつおが昔、NHKドラマ「新 夢千代日記」(早坂暁作)で中国残留孤児の役で名演を見せたというのも、私自身は当時見ていなかったのですが、納得がいきます。

1990年の紅白に出場した時の、あの人を喰ったようなパフォーマンスは圧巻でした。1991年春、卒業旅行で奈良・京都に行く最中の新幹線の車内放送サービスで流されていてたまたま聞いた、アルバム「スーダラ伝説」の歌に心を奪われました。「花と小父さん」や「チビ」など、本当に深い味わいを感じ、帰京後、真っ先に購入しました。

スーダラ伝説

(モバイル→スーダラ伝説

晩年になってからの俳優としての植木さんは、「名古屋嫁入り物語」などのコミカルな役もありましたが、滲み出る誠実な人間性と品格を感じさせる人だったと思います。

ご冥福を祈ります。

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