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カラヤン初体験

最初に自分で意識的に買ったクラシックのレコードが、ブーレーズ/ニューヨーク・フィルの、「王宮の花火の音楽」と、バレンボイムの「ピーターと狼」であったことは前に述べた通りである。

不思議なもので同じ曲でも、最初に聞いて聞き込んだものがその人の「基準」となる。先の2つも、他のを聞いても「なんか違う」と感じ、どうもピンと来ない。これが人によってその「基準」が違うからややこしい。

この次の原体験はカラヤン、ということになってくる。中学校でも吹奏楽部に入り、ますます深入りしていく中、NHKのFMで知っていそうな曲があると夢中でエアチェックしていた。その頃は新聞で今のテレビ番組のようにFM放送の週間番組表があり、つぶさにチェックし、深夜とか早朝でも起きて必死に録音していた。

悔しいのは、アナウンサーの声を入れないで曲だけ録音したいのだが、録音ボタンに指を乗せて待機していて、

 「それでは○○○、お送りします・・・」

 「それっ」 「ガチャ」(録音開始。ピッではない)

 「・・・なお、この演奏はモノラル録音です・・・」とか

 「あーっっ!くそっ!!」

ということがよくあった(笑)。今なら自由に編集できるところだが、カセットしかなかった頃の話なので。

最初の頃は、吹奏楽部でよくやることもあり、短くて分かりやすいこともあって、行進曲系を色々と集めていた。変わったところでは、瀬戸口藤吉「軍艦行進曲」(軍艦マーチ)とか、レイモンド服部「コバルトの空」など、パチンコやとかスポーツニュースの音楽、というイメージの曲をきちんとした演奏の録音で入手して一人悦に入っていたものである。

その次あたりにたまたま録音したのが、「ウィリアム・テル」序曲や「軽騎兵」序曲などで、これはカラヤン指揮ベルリン・フィルのものであった。マーチは吹奏楽団の演奏ばかりで、オーケストラのはほぼ初めて。この整然と統率された、キレのある演奏はものすごいインパクトがあった。特に軽騎兵の冒頭などの金管の一糸乱れぬ直線的な音。突き刺すようなバストロンボーン。中学校の部活の下手っぴな音を聞きなれている耳には一種の衝撃であった。しばらくはこればかりを聞いていた。あと、バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの、「威風堂々」第1番と「カルメン」前奏曲も同じ頃録音して聞いた。(当時の二大巨頭ですな。)

カラヤンのは多分この辺のがそれだと思う。

  

カラヤン/ベルリンの組み合わせは、これら1960年代終わりから1970年代にかけてが、一番かっこよく、キレがある演奏だったと思う。これは最近になってようやくCDで買った。カラヤンの凄いところは、こういう「名曲シリーズ」的な小品でも手を抜かないで、バリバリの演奏をするところだと思う。ベルリン・フィルももちろん、世界トップクラスのオケというプライドがあるから、手を抜くようなことは決してしない。最近毎年テレビでやるようになった、ワルトビューネ野外コンサートの最後にやる「ベルリンの風」という行進曲も、観客と和気あいあいとやってはいるが、その演奏はビシッと決まっている。(ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートのラデツキーと同じ)

この後の演奏者の趣味の傾向は大体これで決まってしまった。「曲」については、初めにヘンデルとプロコフィエフを同時並行で聞いてしまったのだ。時代とか楽派とかにあまり先入観がなかったことはよかったかもしれないが、ヘンテコな趣味になっていったかもしれない。

同じクラシックファンの間でも、趣味がほとんど同じ、というのは稀であろう。「これいいよね」「え~、全然ダメじゃん、どこがいいのこんなの」といった具合である。

大体そういう人は、「曲」そのものだけでなく、「演奏」も聞く。そして自分の基準に照らし合わせたチェック・ポイントのようなものがある。CDを貸したり、一緒に聞かせたりすると、ずっと通して聞かずに、ダーッと早送りをして、要所要所でピッと止めて聞く。そして「あ、これダメ」とか「うん、これはなかなかいい」と判定が下る、という具合である。かなりマニアックだ。ブラ1(ブラームスの交響曲第一番)の4楽章の最後のクライマックスのとことかね。

でもこれは若い頃の聞き方。同じ曲・演奏でも、年を経て聞くとその時々で違う聞こえ方をしてくる。自分の経験や心理状態が投影されるのだろう。昔は全然良さが分からなかったものでも、後で聞くとその良さが分かったりする。それを理解するだけの耳や感性を持ち合わせていなかったということなのだ。その辺は読書と似ているのだと思う。

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